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それぞれの人間に声のトーンや話し方の違いがあるように、鳥たちも、声のトーンや鳴き方がそれぞれ違っている。どのウグイスにもそれぞれの個性があるし、どのキジバトにもそれぞれの特徴がある。

僕は人間だから、たぶん、人間の声ほど鋭敏には鳥の個体ごとの聞き分けをすることができないけど、それでも意外と、違いを感じ取ることはできる。おそらく同一のメッセージを伝えていると思われる「ある特定の鳴き方」だけに限っても、トーンが澄んでいたり濁っていたり、テンポが速かったり遅かったり、音程が高めだったり低めだったり、発声が丁寧だったりラフだったり、微妙な違いがある。

今日の昼、うちの近くにシジュウカラが来た。姿を見たわけではないけど、鳴いているのが聞こえた。その声は、ひとことで言うなら「美しい」と形容するのがまさに相応しいような、端正で印象的な声だった。うちの近くで30秒ほど鳴いたのち、場所を変えたのだろう、間違いなく同じ個体が少し遠くのほうからまた数十秒ほど声を響かせ、そしてどこかへ去っていった。良い日だな、と思った。