『子どものことを子どもにきく』

この本のサブタイトルは「『うちの子』へのインタビュー 8年間の記録」。すでに主題は明確だが、少し補足する。

著者の杉山さんは、ご友人が発行していた小さな月刊誌に記事の執筆を依頼された。書きたいテーマが見つからなかった杉山さんは、思いつきで、とある試みをした。それが「当時三歳だったお子さんにインタビューを行い、それを文章にまとめる」ということだった。

これが好評で、お子さんへのインタビュー記事は毎年恒例となり、お子さんが十歳になるまで八年間続いた。『子どものことを子どもにきく』は、それらを一冊にまとめた本である。

「子どもにインタビュー」という試み自体もいいなと思ったし、インタビューの内容もとても面白かった。

実は、この本は少し古い本で、インタビューが行われたのもだいぶ前である。具体的には1989年から1996年。この記事を書いている今から見れば30~35年ほど前だ。そのため、ちょっと会話内容に古びたところもある。子ども側というより、むしろ聞き手である大人側の言葉に対して「ウッ」となる部分も多少あった(少なくとも僕は)。

それでも、総合的に、子どもへのリスペクトが色濃く表れており、良い本・参考になる本だなと思った。子どもに接する機会がある方は、杉山さんの実践記録を参考にしつつ、ぜひご自身でもインタビューをやってみていただきたい。たぶん、貴重な思い出になる。


『子どものことを子どもにきく 「うちの子」へのインタビュー 8年間の記録』
杉山亮 著
720円 文庫判 978-4-480-43848-5
筑摩書房 2022年11月10日 発行
(もとの本は1996年12月に岩波書店から刊行)

https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480438485

この記事内の『子どものことを子どもにきく』の引用箇所は、Kindle版でのページ数を示しています。

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